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アメリカでの日々の雑感、臨床に入り込むまで、及びアメリカ臨床留学の苦闘など


by takamed
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腹の立つこと

久しぶりに腹が立つことがあったので、ここに記載し、犬にでもかまれたと思って忘れることにする。

今月は週末担当のロテーションであり金曜の本日より仕事開始。まずは同僚の患者を引き継いた。その中の一人、重度MRによる心不全の患者。見ると循環内科は退院オーケーとの記載。当院の心臓外科医は、手術不可とのコメントであり、内科的にはこれ以上できることはない、との判断だったのだろう。患者本人はセカンドオピニオンを求めて、大学病院に来週行く予定だとのこと。

以前私が見たことのある患者であり、行ってみると、やはりまだ息苦しそう。患者は退院してもいい、ということであり、また入院を伸ばしても、何もできることがないことも承知していた。それでも、本人はもう少し滞在していたそうであり、明日退院、ということにした。ひとつには、本人にはっきりと、もしinoperativeな場合、ホスピスを考える必要がある旨を伝えたこともあり、すぐに追い出すように退院させたくなかったこともある。

数時間後、ケースマネージャを統括する医師から電話があり、ものすごい剣幕で退院を促された。こちらは少しも感情的にもなっていないのに、最初からものすごい勢いで理詰めで話してくる。僕にしても、入院させておけないことは分かっていたのだが、それにしても、もう少し人間的な対応があってもいいのではないか(患者に対しても、僕に対しても)。

はっきり言って、相手の人間性を疑いたくなる対応だった。まあ、辛いストレスのたまる一日だったのだろう、と相手を無理矢理慮って、腹が立ってくる自分を抑えつつ、思い出さないようにしつつ、患者に説明をし、そして退院させた。

ここ米国臨床で、ここが一番腹が立つ点だ。医師も患者も人間だ。コンピュータではないのだから、0か1しかないマシン語のような、デジタルな反応だけで対応できるわけがない。人間的な対応のできる余地が、もう少しあってもいいと思う。

この医師にしても、いろんな圧力からこういう対応をせざるを得ないのだろうし、システムの駒の一部なのだろう。結局、問題なのはシステムなのだと言うことになる。

こうして書き連ねて、自分の中の腹立ちを、紛らわせることにする。
# by takamed | 2012-02-11 11:47

心の遊び

妻に頼まれて、YouTubeからの動画を、DVDに焼き付ける方法を色々と模索。MP4としてダウンロードしてから、ffmpegXなるフリーソフトを用いてエンコードを、、、と。さらにそこから、Burnなるこれまたフリーソフトをダウンロードし焼き付けを、、。とまあ、色々と試したのだが、結局うまくいかず。

くうう。1時間ほど(あるいはそれ以上か)かけて、結局できないこういった時、何とも言えぬむなしさを感じ、また、時間を無駄にした気分になってしまう。心に余裕と言うか、遊びと言うか、そういった物が足りないんだろうなあ、とつね思う。

でもまあ、以前よりそういった気分は無くなってきた気がするので、少しは遊び心が出てきたのかなあ、と自分を納得させることにする。
# by takamed | 2012-01-24 13:23
当直あけの昨日、早めに布団にはいったが、やはり夜中に目が覚める。現在朝の2時半。いまだに時差ボケとの戦いが続いている。仕方が無いので起き出して、このブログを書き出した。
昨日は仕事の際、残念な、というか反省すべきものがいくつかあった。時差ボケ+当直明け、という言い訳はできるのだが、まあ自分自身がそれは言い訳だと気付いているわけで。。一つだけ簡単に記載して、反省する。

50代の黒人患者。胸痛を訴えて入院。肺梗塞はCTでルールアウトされていた。病歴と症状から虚血性心疾患の可能性は少なく、むしろ、ウイルス性の心膜炎を疑った。念のためにストレステストをオーダーしたら、やはり陰性。ナースのコメントでは、NSAIDsで痛みは改善しているし、嬉々として退院させようとしたところ、まだ具合が悪いと訴える。呼吸苦もひどい、と。。

重篤な疾患は除外したし、呼吸苦といってもしっかり話しているし酸素も必要ない。要するに、もっと入院していたい、というのが見て取れる。「Lawyerに話すために、診断を書いてくれ」などと、訴訟も匂わせてくる。

ここで、同僚のヘレンに助けを求め状況を説明、彼女がバトンタッチ。その結果、患者自身認めたわけではないが、どうやらホームレスのようだと。そこで思い当たった。昨日は急激な温度の低下があり路面も凍結、それを知っていて病院から出たくないのだった。ヘレンには、明日になったら気分が良くなって帰れるはずだ、と述べたとのこと。明日になれば、(つまり今日だが)温度も回復するからだろう。

こういった胸痛のルールアウトの患者、ここ米国では観察入院としてしか保険が適用しない。そのため、肺梗塞や虚血性心疾患が除外された時点で、退院を考える必要がある。当直明けで焦っていたこともあり、退院させようと言う意識が強すぎたようだ。説明しようとしても、うまくラポールができていないことが分かった。また、ホームレスの可能性を全く考慮できなかった。

更に言えば、保険が無いと分かっていれば、逆にあそこまで患者に対し、退院を迫ることも無かったろう。結局自費診療になるのだし、患者が払えるわけは無いからだ。

最後にヘレン、そしてソーシャルワーカーと一緒に患者の元に戻ったのだが、彼女の患者への接し方、そして話し方は、ずいぶんと参考になった。言葉の問題はいまだに勿論あるのだが、それだけではなかろう。

この参考になった機会を、是非次に活かすことにする。
# by takamed | 2012-01-21 18:06
無事にプレゼンも終了。思った以上に盛会であり、また、高名な先生方や総合内科領域で頑張っていらっしゃる同世代の先生方ともお知り合いになれ、大変有意義な会だったと思う。

基調講演自体も、思っていたところで笑いも取れ、終了後の反応もまずまずであり、まあ合格点と言って良いのではないか。何人かの先生方から、うちでも是非講演を、と言って頂けたのは、大変嬉しかった。早速水戸の高名な先生から、お誘いのメールを再渡米前に頂いた。

というわけで、帰ってきて今は、ひたすら時差ボケとの戦いである。早速今日は当直。とほほ。

また、日本に一時帰国中、最後の一週間は崩した体調を講演にあわせて整えるため、全く走れなかった。たったの一週間ちょいなのだが、帰ってきて病院の階段を駆け上がる際、筋肉の弱りを感じた。いかん。ちゃんと走らねば。というわけで、今日は仕事から帰ってジョギング。なんせ、時差ボケで、朝早く起きれない。。。

うーん、頑張らねば。。
# by takamed | 2012-01-20 14:11

ブレインストーミング

医学書院のGさんと、新幹線駅の近くのホテルのロビーで面談。JIMでの新連載に関し、色々と話し合いを持った。わざわざこの田舎、雪国まで出てきて頂いて、大変恐縮だったが、、、。

講演に気を取られていて、あまり自分の中ではじっくりと考えることができずにいたのだが、インタビューの中で、良い感じでブレインストーミングができた。薄ぼんやりとだが、どのような形で書いていくか、見えてきた気がする。ほんとに薄ぼんやりだが。。

明日はいよいよ京都入り。そして明後日は講演だ。これはもう、楽しませてもらうくらいの気持ちで行こう。これが終われば、この新連載に関しもう少し、自分とのディスカッションが可能にもなる。楽しみだ。
# by takamed | 2012-01-12 21:43